魚政の玉子焼きの秘密
ひな祭りのちらし寿司は、どうしても海鮮の華やかさに目がいきます。
でも、料理長に聞いてみると話は意外なところから始まりました。
「玉子焼きが整っていないと、全体が整わないんです」。
※ここからは”会話形式”で、料理長の考え方をそのまま載せています。スクロールすると会話が順番に展開します。
料理長が大事にしている”3つの整え方”
スクロールすると会話が順番に展開します
料理長(穏やか理論派)
甘さは足し算ではなく引き算。魚と食卓の”調和”を優先します。
私(インタビュアー)
普段の食卓と特別な食卓の違いを探しています。


私
玉子焼きって、ひなちらしの中では脇役に見えますよね。

料理長
でも実際は、子どもが最初に食べることが多いんです。
最初の一口で「おいしい」と思ってもらえるかどうかで、その日の印象が決まってしまう。
海鮮が華やかな日ほど、土台が整っていることが大事ですね。

私
甘さの加減は、どう決めているんですか?

料理長
甘くしすぎると魚が負けます。
でも甘くなさすぎると子どもは喜ばない。
だから足すより”引く”感覚で、全体の調和が一番きれいに見えるところを探します。
それと、玉子の風味を損なわない火加減と、程よい硬さも重要です。
強すぎると香りが飛ぶし、弱すぎると締まりが出ない。
口に入れたときに、すっとほどける状態を目指しています。

私
ひな祭りの食卓に、玉子焼きが合うのはなぜでしょう?

料理長
ひな祭りって「ちゃんと祝いたい」気持ちが先にありますよね。
派手な具材より、丁寧に焼いた玉子がある方が安心する。
そういう”土台”があると、食卓全体が整うんです。
①香りを残す火加減
料理長が繰り返し言うのは「玉子の風味を損なわない」こと。
火を強くすれば早く仕上がる一方で、香りが飛ぶ。弱すぎれば、水分が残って締まりが出ない。
だから、目指すのは“香りが立ったまま、ほどける硬さ”。
口に入れた瞬間にふわっとほどけて、次の海鮮の旨みを邪魔しない——その状態です。
②甘さは”足す”より”引く”
ひなちらしは具材が華やかだからこそ、玉子焼きの甘さが前に出すぎると全体が崩れます。
子どもにとって食べやすい甘さを残しながら、魚の味を立てる。
そのために、甘さは「強くする」のではなく「整える」という考え方になります。
③ひな祭りの食卓を”整える”役
ひな祭りは、豪華さを競う日ではなく、家族で春を迎える日。
海鮮の華やかさの中に、やさしい黄色があるだけで、食卓の空気がやわらぎます。
玉子焼きは、いちばん派手ではない。けれど、いちばん先に選ばれることがある。
その一口が「今年も良いひな祭りだったね」につながるなら、十分に主役です。
✦玉子焼きの表情
※画像をタップすると拡大できます
焼き始めから仕上がりまで。火入れの繊細さが伝わります。
この玉子焼きをたっぷり盛り込んだ
「特製玉子焼きひなちらし」
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