かぼすぶりとは?現地取材でわかった価値の理由 ― 大分県・米水津の現場で見た、育て方・締め・味の違い ―
誰が、どんな考えで育てているのか。
その積み重ねが、一切れの味をつくります。
大分県南部・米水津(よのうづ)。
山と海が近い穏やかな湾内に並ぶいけすで、「かぼすぶり」は育てられています。
私たちはその生産現場を訪ねました。
そこで感じたのは、
“納得できる魚を出荷したい”という、真摯な姿勢でした。
かぼすぶりとは?
かぼすぶりとは、大分県・米水津で育てられる、餌に「かぼすの皮(果皮)粉末」を加えたブランドぶりです。 脂がありながら後味が軽いと感じる方が多く、特にしゃぶしゃぶのように軽く火を入れる食べ方で違いが出やすいとされています。
特徴 かぼすの”皮”を活かすという選択
かぼすぶりの最大の特徴は、餌にかぼすの皮の粉末を加えていることです。
使用しているのは、9〜10月に収穫される青いかぼす。
搾汁後に残る果皮を乾燥させ、粉末に加工し、餌に混ぜています。
これまでは産業廃棄物として処理されることもあった部分だといいます。
粉末を実際に嗅がせていただきましたが、
驚くほど、かぼすの香りが立ち上ります。
果汁ではなく「皮」に着目した理由を尋ねると、
柑橘由来の成分への期待と、
地域資源を無駄にしない仕組みをつくりたいという思いがあったと話してくれました。
農業で生まれた副産物が、海で育つ魚へと受け継がれる。
廃棄されていたものが、新たな価値へと変わる。
そこに、この取り組みのもう一つの意味を感じました。
育て方 餌づくりは「管理」ではなく「観察」
餌は、冷凍サバやイワシなどを使った生餌に、
固形飼料やビタミンを加えた配合飼料。
そこへ、かぼす皮の粉末を混ぜ、圧縮して与えます。
印象的だったのは、その”与え方”です。
- 餌が浮かないよう配合を調整する
- 魚の食べるスピードや水温を見て投入量やスピードを変える
- 必要以上に与えない
決められた量を一気に与えれば給餌は一瞬で終わります。効率を最優先する方法もあるはずです。
それでも、生産者は魚の状態を見ながら与えています。
「魚体は餌で変わる」
その認識が、日々の細やかな管理につながっているように感じました。
工程 ストレスをかけない締め
出荷前の工程も見学しました。
魚が暴れないよう配慮しながら処理を行い、
神経締めと血抜きを実施。
さらに身の温度が上がらないよう冷却を徹底します。
「ストレスをかけないことが一番大事」
その一言に、この現場の考え方が集約されていました。
品質は、最後の工程で決まる。
その緊張感やこだわりが、現場にありました。
味 しゃぶしゃぶで感じる違い
かぼすの成分「リモネン」は、熱で揮発しやすい性質があるとされています。
しゃぶしゃぶで軽く熱を通すと、
ほのかに柑橘の香りが立ちます。
脂はのっているのに後味が軽い。
ぶりが得意でない方でも食べやすいと感じる方がいるのは、
こうした背景があるからかもしれません。
旬 なぜ3月までなのか
ぶりは産卵前に脂を蓄える魚。
最も状態が良いとされる時期が3月頃までであることから、
提供もその時期を目安にしています。
「一番美味しい時期だけを届ける」
それもまた、ブランドの責任だと感じました。
魚政 なぜ魚政がこのぶりを選んだのか
私たちは多くのぶりを扱ってきました。その中で、味・育て方・締めの精度を実際に確認し、納得できたのがこのかぼすぶりでした。
価格や流通の効率だけではなく、背景まで説明できる魚かどうか。そこが、私たちの仕入れ基準です。
かぼすぶりに関するよくある質問
かぼすぶりは普通のぶりと何が違いますか?
餌にかぼすの皮(果皮)粉末を加えて育てる点が大きな違いです。脂がありながら後味が軽いと感じる方が多く、しゃぶしゃぶなど軽く火を入れる食べ方で香りを感じやすいのが特徴です。
かぼすぶりの旬はいつまでですか?
一般的にぶりは産卵前に脂を蓄え、最も状態が良い時期は3月頃までとされます。魚政でも「一番美味しい時期」を目安に提供時期を調整しています。
かぼすぶりはどんな料理に向いていますか?
刺身、しゃぶしゃぶ、カルパッチョなど、香りと後味の軽さを活かせる料理に向いています。特にしゃぶしゃぶは軽く熱を通すことで違いが出やすい食べ方です。
かぼすぶりフェアへ
この価値を、実際に体験していただく機会として、
ランチ・ディナー・惣菜それぞれの形で「かぼすぶり」をご用意いたします。
ただの”ぶり料理”ではなく、
海と人の仕事を知ったうえで味わう一皿を。
ぜひ、この機会に体験してみてください。
